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うぃっと第61回公演うぃっと第61回公演「赤っぽいネコ、或いは幸福な王子」12/26~28あさくさ劇亭にて。来てね! …劇団W.I.T.のメルマガです。基本、斜め上なブラックジョーク満載の文面なので、真に受けて炎上させないでね。
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こんにちは、ニコちゃんです。

「アン・ズルニを呼ばない」
公演から2週間が経ちました。

それだけ経ってもなお、
長い長い迷宮から出られない、
今回のお話は作ってる側にとって、
重いものに感じられます。

乗り越えなければ、次へ進めません。
うりゃっ!

******
□1
「アン・ズルニを呼ばない」
公演を終えて
□2
今後の予定
******

□1
うぃっと2015shocker公演
「アン・ズルニを呼ばない」


○お客さんが劇場で描いてくれた絵です。
http://wittokyo.web.fc2.com/48_anzu/index.html#kobito



右上が旗を振るこびとさん。
うし組とねこ組。
影は「潮待ってる男」と「木」ですね。


○当日の劇場での声、
後日聞いた感想、
スタッフからの一言、
ランダムに拾ってみました。

・こびとさんの白衣似合ってる。
紅白帽もいい

・セーラー服可愛かった

・合羽橋のお店は面白い

・お尻が痛い中、よく頑張った(アン)

・帽子被ったのに、頭薄いの隠せなかった(魔王)

・7才児にいとこが生まれた(こびと)

・ひとり芝居やるとスタッフがいていい

・紗幕がえらい!
もんてんありがとう

・Namaさんは「緑のうぃっと」を知らない

・劇亭は狭い分効果が効きやすい

・美味いラーメンはちゃんと調べておこう


○公演を終えて

こんにちは。
うぃっとのボスで、
構成・演出のしなやかしなちゃんです。

「アン・ズルニを呼ばない」
今回のお話を振り返って。

初演の設定では、
荒廃した学校の教師で壊れてしまった男=魔王が、
生徒の姿で学園に戻り、
そこで出会ったアン・ズルニと力を合わせ、
抗争を止め、生徒たちを救おうと奔走する、
いかにも胸のすくヒーローものって話だった。

「学校の設定自体が病人の男の妄想」
だった可能性も半々だが、
いずれにせよ、
男は以前闘っていた現場に戻っていく、
男の目線で言えば
「希望に満ちた話」だった。

ところが12年の時を経て、
このお話はもう一つ影を帯びてしまった。

前回の話にも
「世界はこびとさんたちが動かしてる」
って話があったが、
今回はこびと目線での話が加わった。

この物語全体
=魔王とアン・ズルニの学園での話も、
病室での男と女の話も、
ゲームの一作品になっている。
マニアの間ではよく知られた名作らしい。

だが、この描かれたシナリオをなぞって行くと、
もう一つの話が浮かび上がってくる。

過去の壮絶な体験から、
同じような夢を何度も見ることはある。

男は10年以上経ってなお、
当時の学園の夢を見ている。

魔王となってそこへ向かい、
アンと出逢い、
学園を支配する巨大な力に挑み、
闘い、破れて、戻ってくる。

生徒たちはとっくの昔に卒業している?のに、
魔王は悪夢からずっと抜けられない。
よほど悔やまれるような選択を、
男は原体験においてしたのかもしれない。

生徒たちを護ろうとしたにしろ、
正義の美名の下に、
実際には抑圧してしまったとか。
新自由主義吹き荒れる戦場で、
生徒を売ってしまった果てに、
帰還兵のようにおかしくなったのではないか。

一方、女の目線で言えば、
過去との間を反芻する男を、
この間ずっと見てきたわけで、
表立って語られてはいないが、
それもまた、きつい話だ。

初演ではなかったラストの
魔王=男が去った後に残した手紙と、
「アン・ズルニは私だ。」と言い切り、
魔王の制服をも着る女。

男は過去へと旅立って行った。
女は今の現実を生き抜く。

男はもう戻って来ないのか、
それとも再び戻って同じ夢を繰り返すのか、
答は示さなかったが、どちらも正解だろう。

手紙に書かれた男女の話の如く、
二人は時を逆行し、すれ違い続ける。
なんて、甘美な悪夢!

そしてそんな名作を操るこびとさんも、
さらに大きな力に操られ、
出口のない永劫回帰の環の中にいる。


…ああこわいこわい。
自分が書いてた作品なのに、
呑み込まれて出られなくなるかと思った、
2015年5月の公演だった。

「今回観られなくて残念」
という声を多数聞きました。
大変惜しいことをしましたが、
再々演には覚悟が要ります。
少し考えさせてください。

******

□2
今後の予定です。

次回公演は、12月。
同じあさくさ劇亭で、
12/26~29を予定してます。

今度は気楽に笑える作品にするので、
安心してくださいね♪

******

「その昔、アン・ズルニと逢ったことがある」
そんな気がしてなりません。
夢が記憶と入れ替わり、
過去実際に体験したような感覚。

~甘酸っぱく、ほろ苦い、
ホントはなかった青春の思い出~

次号より写真とシーンを追って行きます。
次作の構想や、稽古場ネタなどもお楽しみに。

ではまた来襲。

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