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うぃっと第61回公演うぃっと第61回公演「赤っぽいネコ、或いは幸福な王子」12/26~28あさくさ劇亭にて。来てね! …劇団W.I.T.のメルマガです。基本、斜め上なブラックジョーク満載の文面なので、真に受けて炎上させないでね。
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1年で一番夜が短い季節、
いかがお過ごしですか。

こんにちは、
うぃっとのボスのしなやかしなちゃんです。

最近また眠れなくなってきた。
布団に入り、電気を消すと、
何やら漠然とした恐怖に包まれるのだ。

「この恐怖の正体は何だ?」

考えてみようとするが、
しばらく起きてるとまた眠くなるので、
その状態でグルグル回って1週間ぐらい経った。

で、少しずつ見えてきた。

老いて衰えることか?
自分かパートナーに何かがあった時の準備ができてないことか?
人付き合いが1人また1人と減っていくことか?

…うーん、もうちょっとだ。

突然フレーズが浮かんだ。

「社会で必要とされなくなることへの恐怖」

パズルのピースが埋まるように繋がった。

引っかかって悩んでいたことや、
今回紹介するシーンとも。

私だからできること、
私でなければできないことが、
人との関わりの中でなくなった時、
私は固有の私として観測されなくなる。
ある意味、死んだようなものである。


そんな窮地の只中にある、
おじいさんの昼下がり。
考察とあがきをお楽しみください。

↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 

**********

□1
「BEHIND THE CURTAIN」
◆鬼が笑う前に◆
http://park10.wakwak.com/~wittokyo/stage.html

シーンの紹介と解説です。

第8回は、おじいさんの午後。
昼飯を終えても、のんびり昼寝してる場合じゃない。
考えることもやることも、まだまだいっぱいあるのだ。


8)おじいさん(午後)

C:観測しなければ、存在は確認できない。

検査をしなければ、コロナには罹らない。

観測されなければ、存在は確認されない。

ならば、独りの私は、
果たして存在するのであろうか?

一方で、私は観測者でもある。

マックスウェルの悪魔というのがいて、
そいつは、運動の激しい粒子と運動の少ない粒子を
左右の部屋に分けることができる。

温度の高い空気と低い空気を左右の部屋に分ける、
すなわちそれは、
何もしないでエネルギーを取り出せるということだ。 
だから、悪魔。

こんなの私にもできるぞ。
家の中で、きれいに片付いたものを自分の部屋に、
散らかったゴミをおくさんの部屋に分ける。



T:おじいちゃん!


C:いいえ、私は何もしてません。
観測してただけですから。



観測者がいるかいないかで、
実験結果が変わることがある。

観測者はネコを生かしも殺しもできないが、
観測した時点で、
生きてるか死んでるかどちらか一方になる。




♪ 煮れ煮れ東京





--------

○観測されなければ、存在は確認されない。

観測されてるかどうかは、どうやって知ればいいのだろう?
こちらも観測しなければわからないのではないか。

しかし、相手や周りに影響を与えずに観測するのは難しい。
相当気をつけないと、迷惑な撮り鉄みたいになってしまう。
首尾よく撮れたとしても、情報の上げ方次第で炎上しかねない。
害も与えず、評価もせず、ただただ観測するのは難しい。

マックスウェルの悪魔とか言ってるが、
温度の違う空気を左右の部屋に分けてる時点で、
「ただ観測してるだけでーす」と言い逃れることはできねえべ。

何だかんだ言いつつも、
おじいさんはおくさんを怒らせることで、
その反応を見て、自分が存在することを確認してる。

おじいさんとおくさんは、親子だか義理だか知らんが、
何かしらの親類縁者なのだろう。
同居して色々言われたり縛られたりするのは嫌なので、
隣で暮らしてるようだが、
己の存在と切れ味を確認できる相手は必要だ。


○観測した時点で、生きてるか死んでるかどちらか一方になる。

「シュレーディンガーの猫」より。

観測者はネコを生かしも殺しもできない。
おくさんがおじいさんの生殺与奪を握ってるわけではない。

だが、おくさんがおじいさんを気になって見た時点で、
その生死を確認せざるを得なくなる。

おくさんがおじいさんの気配の有無に反応した時点で、
おじいさんもまた、自身の存在の有無を確認することになる。

生きていても死んでいても面倒なことに変わりはないし、
確認されずに宙ぶらりんなのも困ってしまう。

コロナな世の中で、こんな状況・心境を自覚した人も
少なくはないのではないか。

次回はおくさんサイドから見た風景。
しかし今更ながら、
こんなに寂寥感溢れる芝居だったとは…

(つづく)

**********

どんな職場・組織・コミュニティにいても、
「私だからできること」を心掛け、
持ち味を活かせるよう、居場所を作ってきた。
うまくハマれば、いい仕事ができた。
その度に人々に驚嘆と感動と新たな学びを提供できた。
「私はここにいられるのだ」と確認できた。

残念ながら、それが長く続くことは珍しい。
私が残す爪痕を気に入らない者もいた。
どこの世界であれ、何人かはいた。
「決まった型の通りやってほしいし、他の誰かでもいい」
そんな風にしか人に存在してほしくない人ってのもいるのだ。

そいつと折り合いがつかなかったり、排除されたりしたら、
こちらが去らなければならない日がやってくる。

それでも、これまでは次の場所を見つけてきた。
毎回毎回、すごくエネルギーのいることだ。
もう疲れた。
何度そう呟いただろう。

人生の凝りと澱に疲れた果てに、
己が「他の誰かでもいい」
コンビニの商品のような存在でしかなくなることへの恐怖に震える、
夏の短い夜であった。

最後まで読んでくれたあなたに感謝します。
「読んだよ」って返事だけでもとても嬉しいです。

また来襲!

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